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共同通信3/31☆ひとごとじゃない!一つになった心 チャリティー音楽会を開いた経験から




*共同通信   2011/03/31 15:27
ひとごとじゃない!一つになった心 チャリティー音楽会を開いた経験から


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 今回の地震を受けて開かれたチャリティーコンサート。中央のピアノ演奏は大阪フィル音楽監督の大植英次さん=3月26日、広島市内


 東日本大震災を受け、芸能界も被災者のための寄付や募金、炊き出しなどの支援活動に積極的だ。AKB48をはじめとするアーティストたち共通のメッセージ「みんなの心は一つ」は、老若男女を「できることをしよう、したい」という気持ちにさせている。

 ヨンさまこと俳優のペ・ヨンジュン48 件さんは10億ウォン(約7200万円)、シンガー・ソングライターの宇多田ヒカルさんが8千万円、AKB48などが5億円! 著名な芸能人が続々と多額の身銭をさっと寄付する姿に感動した人も多いはず。

 一方、別の手法でチャリティーに乗り出した一人が歌手GACKTさん。「ひとごとじゃない」と基金「SHOW YOUR HEART」を創設し、支援の輪を広げることから始めている。ポップグループKARAがシングル『ジェットコースターラブ』のCD、デジタル配信の利益を全額寄付するのも、購入者と思いを共有することを大事にしたかったから。

 心は一つ、ひとごとじゃない、共有する―私事で恐縮だが、2008年5月の中国・四川大地震を受け、友人たちと東京でささやかなチャリティー音楽会を開いた時のことを思い出す。窮地の“隣人”のために何かしなくていいのか、と悩んでいたら、バイオリニスト、ピアニスト、書家といった芸術家たちが「一緒にやりましょう」と即答してくれた。

 公演まで残り1カ月ほど。使用料が安い会場を借り、チラシを作りチケットを売って、協賛企業も探して…。そんなある日、某メーカーの社会貢献の担当者から「うちはもう○億円寄付していますから」と言われ、わずかな寄付を集めるのに面倒なことをしなくても、とたしなめられた。正直、「素人のお遊びかも」とへこんだ。

 「世界のオザワ」こと指揮者の小沢征爾さんは重病の子供のためにチャリティー音楽会を開いた際、涙を流しながらつぶやいた。「音楽なんてやっていてもしょうがない、と思うんです」と。音楽や芸能や芸術ではたぶん病気は治せないだろうし、被災者を救うこともままならない。今回もそうした疑問の声が上がっている。

 でも、世界のオザワはへこんだままじゃなかった。「一生懸命に聴いてくれる一人一人がいるじゃないですか。それだけで音楽をする意味がある」

 実際そうだった。私たちが開いたチャリティー音楽会の200人を超える観客は、万雷の拍手でアーティストとスタッフをねぎらった。「皆さんの思いはしっかりと中国に届けます」とステージで熱く語ったのは、日本中国文化交流協会の代表理事で女優の栗原小巻さん。大人1人2500円の入場券をまとめ買いしてくれた地元中小企業の社長から「おれも何かをしたかった」と握手された。

 人類学などの説によれば、芸能や芸術は宗教と同時に誕生したらしい。自我の目覚めとともに孤独を知った人類が、他者や自然と再びつながり絆を結ぶために踊り歌い描き、祈ったのだと。お金もさることながら、「自分も何かをしたい」という人々の心、善意を集めようという、芸能・芸術らしい取り組みが大小を問わず今、続々と登場しているのは目を見張るばかり。そうして一つになった“心”がこの大惨事の後、どんな世界を築いていくのか、とても楽しみだ。(小池真一・共同通信エンターテインメント取材チームデスク)
by joonkoala | 2011-04-02 07:20 | 大震災
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