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毎日新聞1/27☆寝ても覚めても:佑観マダムで何が悪い=冨重圭以子




*毎日新聞   2011/01/27 夕刊
寝ても覚めても:佑観マダムで何が悪い=冨重圭以子



 熱気は、まもなく約1500キロ離れた南の島に移りそうだ。日本ハムの新人、斎藤佑樹選手の人気がすごい。自主トレ中の千葉県鎌ケ谷市の2軍グラウンドは、佑ちゃんを一目見ようと、連日ファンが押しかけている。キャンプに入れば、沖縄県北部の名護市も、人があふれることになりそうだ。

 鎌ケ谷も名護も、あまり知られた町ではなかった。名護の方は、米軍普天間飛行場の移設先として注目されているものの、訪れたことのある人は少ないだろう。2月のキャンプの時期には、ソメイヨシノよりもちょっと色の濃いヒカンザクラが見ごろで、ジンベエザメが泳ぐ美(ちゅ)ら海水族館も近く、いいリゾート地なのだけれど、日本ハム関係者と報道陣以外、真冬に県外から訪れる人は多くない。

 鎌ケ谷となると、関東地方に住んでいる人でも、どこにあるのか、あまり知らないくらいだった。その町に、日本ハムの新人選手歓迎式典とファンとの交流会があった16日の日曜には、1万人もやって来た。斎藤選手の動員力はケタ外れだ。

 なかでも、中年女性の姿が目立つとか。その方々を、テレビのワイドショーが「佑観マダム」と名付けたそうだ。番組によると、佑観マダムは、歌手の氷川きよしさんと韓国の俳優、ペ・ヨンジュンさんのファンと重なるのだという。

 この「佑観マダム」という言い方には、ワイドショーが意図していたかどうかは別にして、ちょっと否定的な響きを感じる。もとが「有閑マダム」で「ヒマな奥様」の意味だからかもしれない。同年代のひがみかもしれないが、「ヒマを持て余している、いい年したおばさんが、若い子の追っかけなんかしちゃって」と、小ばかにしているようにきこえるのだ。

 でも、おばさんの行動力は侮れない。おばさんが夢中になった韓流ブームがあればこそ、日本と韓国との相互反感はかなり和らいだ。おばさんが石川遼選手の追っかけになったから、女子ゴルフに人気で差をつけられていた男子ゴルフにもギャラリーがあふれ、テレビもついた。

 プロ野球にチャンスが到来したのだ。斎藤選手はもちろん、日本ハムの同僚も、対戦相手の選手も、張り切ってほしい。足を運んだおばさんに、野球の面白さを見せてほしい。おばさんがプロ野球に魅せられれば、プロ野球を支える強力な援軍になるのは間違いないのだから。(専門編集委員)
by joonkoala | 2011-01-28 07:50 | その他
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