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沖縄タイムス8/11☆[日韓併合首相談話]過去に責任持つ友好を




*沖縄タイムス  2010年8月11日 09時55分
[日韓併合首相談話]過去に責任持つ友好を


 菅直人首相は日韓併合100周年に向けた首相談話を発表した。日本の植民地支配により韓国の人々が「国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられた」と率直に過去の過ちをわびた。歴史認識の隔たりはいまも日韓に横たわるが、未来志向で友好関係を築く礎にしてほしい。

 談話の内容は、1995年8月の村山富市首相談話、2005年8月の小泉純一郎首相談話をほぼ踏襲した。

 韓国の人々の「誇りを傷つけた」との認識は、歴史問題を考えるときの起点にしたい。菅首相は「痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることはできない」と述べ、勇気と謙虚さを持って過去と向き合う思いを伝えた。

 しかし、こうした謝罪談話に対しては異論がつきものだ。日本はかつてアジアの植民地で経済的に貢献し、悪いことばかりではなかったという意見が出たり、「韓国も併合に合意していた」といった発言が自民党政権下の閣僚から飛び出したりもした。

 これまで首相談話を重ねても政治家の不規則発言が韓国側の猛反発を招く悪循環を繰り返す。そして日本は謝罪の真意を問われ続ける。

 菅首相談話に対して民主党の玄葉光一郎政調会長は「党内にさまざまな意見がある」とくぎを刺す。自民党の安倍晋三元首相は「歴史評価は歴史家に任せるべきだ」と批判する。

 政治が堂々巡りを終わらせるイニシアチブを取ろうとしないのはなぜだろうか。

 菅首相は談話を出すことで、日韓の協力関係を「地域の安定」につなげたいとの目的を強調した。東アジアの安全保障環境で日韓が共に実質的なアクターになるべき時代だ。政治が過去を引きずり国家間で摩擦をつくっていては無責任にすぎる。

 ハワイにあるシンクタンク「東西センター」がほぼ毎年実施する国際政治学者のアンケートによると、アジア地域において研究者らが不安定要素として懸念しているのは、中国の軍事拡張や北朝鮮の暴走ではない。短期的には過去の「清算」をめぐる日中両国の感情的な対立であり、中長期的には東アジアにおける資源問題が挙げられる。

 日中韓が歴史認識をめぐり対立を続けると、そのことが東アジアの安保環境を悪化させてしまう。冷静で中立的な歴史の検証は不可欠である。過去を乗り越えられずに新たなわだかまりを生むようでは愚かだ。

 韓国KBS放送とNHKの共同調査によると、韓国人が最初に思い浮かべる日本人は支配者の象徴「伊藤博文」で、一方日本人が最初に思い浮かべる韓国人は韓流スターの「ペ・ヨンジュン」だった。

 意識のギャップは大きい。被害者と加害者の視点の違いだろうか。両国関係の評価も韓国側が厳しい。竹島をめぐる領土問題も横たわる。

 今年は日韓併合100周年だけでなく、朝鮮戦争60周年でもある。

 過去を見つめ、未来へどうつなげるかを考えるきっかけにしたい。
by joonkoala | 2010-08-12 05:40 | その他
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