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朝鮮日報10/21☆【コラム】「恐竜」の品格




*朝鮮日報    2012/10/21 08:14
【コラム】「恐竜」の品格


 最近のエンターテインメント業界で一番の話題は、イ・スマン代表プロデューサーが率いる大手芸能プロダクション・SMエンターテインメント(以下、SM)の「無限なる領土拡大」だ。同社はBoA、少女時代、東方神起、SUPER JUNIOR、SHINee、f(x)など代表的な韓流アイドルを世に送り出し、K-POP界の「超メジャー級」になって久しい。そんなSMがこの1カ月間でトップ俳優のチャン・ドンゴン、キム・ハヌル、ハン・ジミンや、「無敵のバラエティー王」カン・ホドン、シン・ドンヨプ、人気お笑いタレントのキム・ビョンマン、イ・スグンを相次いで獲得したことから、業界は騒然となっている。

 業界では肯定的な評価よりも懸念の声の方が大きいようだ。一番の理由は「SMは子会社を通じてドラマやバラエティー番組を制作する際、自社系列の所属タレントばかりを出演させ、他事務所所属または個人事務所のタレントたちを締め出すのではないだろうか」と懸念するもの。こうした人々はSMが最近、所属アイドルをメーンキャストに起用したドラマを制作・放送していることを「不吉な前兆」と見ている。ある芸能界関係者は「所属タレントをメーンキャストで出演させる際、スター性がないB級または新人を一緒に使ってほしいと要求し、テレビ局や制作会社を困らせる可能性がある」と言った。人気タレントを総取りしに掛かっている特定の芸能プロダクションが、所属タレントのギャラの一斉引き上げを要求すれば、視聴率を考えなければならないテレビ局や制作者側としてはこれを泣く泣く受け入れるしかない。そうなると「制作コストアップ→広告単価引き上げ→製品価格引き上げ」という道をたどるとの指摘もある。

 韓国芸能プロダクション業界に前例のない「恐竜」が誕生したのだから、当事者たちがこのように不安がり、動揺するのも当然だろう。問題は、SMがこれを「杞憂(きゆう)」にすることができるかどうかだ。記者はSMのオーナーがほかでもないイ・スマン氏であることから、そうできると期待している。イ・スマン氏はこの数年間、韓国のポップカルチャー業界で独走状態ながらも、その力を無理やり振りかざすようなことはなかった。イ・スマン氏が最近、広告オファー候補ナンバーワンに浮上しているのは、こうした同氏のプラスイメージも一役買っていることだろう。

むしろイ・スマン氏は自ら称する「ジンギスカン精神」で韓国を世界のポップミュージック界の辺境から中心部へグッと近づける推進力と企画力を発揮してきた。かつて「奴隷契約」とまで言われたその新人発掘・養成システムは制度的な改善が進み、韓流やK-POPの成功で「韓国型芸能英才開発システム」と認められるようになってきている。ポップミュージックに続きドラマやバラエティーでも韓流の競争力を引き上げるには、芸能プロダクションが「規模の経済」の原則に沿って大所帯になる必要性もある。

 つまり、イ・スマン氏がこれまでしてきたのと同じように「ナンバーワン」と思い上がることなく、蓄積してきた有形・無形の力を新たなコンテンツの開発や世界市場の開拓にのみ集中させるなら、SMは果てしなく「品格ある恐竜」になることができると思う。これに加えて、SMが弱者に対する思いやりとライバルに対するオープンな姿勢も持っているなら、「錦上に花を添える(美しいものの上にさらに美しいものを添える)」ことになるだろう。YGエンターテインメントのヤン・ヒョンソク代表が歌手PSY(サイ)の海外アルバム発売権やマネジメント権を米国の大手レコード社・マネージャーに譲ったことが、PSYの米国での成功に決定打となったことを考えると、なおのことだ。SMも「手放すことで逆に手にする」知恵を発揮してほしい。

 権力には責任を伴うということも忘れてはならない。多くの大企業がそうであったように、当然SMも今後、社会的貢献・寄与に関して一層の注意を払う必要がある。


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申孝燮(シン・ヒョソプ)記事企画エディター兼大衆文化部長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
by joonkoala | 2012-10-22 06:17 | 韓流スター
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