*朝鮮日報 2011/05/29 10:42:07 チョ・スンウが切り開くミュージカル「100億ウォン黒字時代」(上) 大ヒット『ジキル&ハイド』 6カ月のロングラン公演も前売り率90% 韓国人俳優の公演で過去最大のヒット チョ・スンウの最終公演現場リポート 豊かな声量・感性で観客を魅了 映画撮影後、『ゾロ』でミュージカル復帰か ミュージカル『ジキル&ハイド』は韓国ミュージカル史上最高の興行成績記録を毎日塗り替えている。 10日から8月末までシャーロッテ・シアター(ソウル・蚕室)で4カ月間の延長公演に突入した『ジキル&ハイド』は、8日までに売上高190億ウォン(約14億1000万円)を記録した。出演料・会場料・装置代など、この日までにかかった総制作費は80億ウォン(約5億9000万円)。海外著作権者に渡すロイヤリティーや前売りチケット販売店の手数料などを差し引いても、終演までに約100億ウォン(約7億4000万円)以上の収益を出すだろう、というのが業界の見方だ。韓国人俳優が出演したミュージカルで、黒字100億ウォンを突破したものはこれまでなかった。 制作を手掛けたODミュージカル・カンパニーのシン・チュンス代表は「チョ・スンウの出演分は100%、ほかの俳優たちの回も80%以上売れた。全体的に見て、有料客の客席占有率は約90%。公演終了後に精算してみなければはっきりは言えないが、過去2年間にミュージカル『ドリームガールズ』などで発生した赤字80億ウォンを埋めても余るほどの驚異的なヒット」と語った。 『ジキル&ハイド』は2004年にチョ・スンウ、リュ・ジョンハン主演で初演されて以来、ヒット神話を築いてきた。今回の公演は昨年11月30日に始まり、今年8月末まで9カ月間続くロングラン公演だ。シン・チュンス代表は「『収益100億ウォン』の一番の功労者はもちろんチョ・スンウだが、リュ・ジョンハン、ホン・グァンホ、キム・ジュンヒョンらほかの俳優たちの公演回も客席がほぼ満席になるなど、観客に信頼されるミュージカルになったのがうれしい」と語った。 昨年除隊してすぐに『ジキル&ハイド』で舞台に戻ってきたチョ・スンウは7日午後7時30分、シャーロッテ・シアターで最終公演を終えた。「チョ・ジキル(チョ・スンウのジキル)」の最終公演チケットは、3月30日に発売開始から3分もたたないうちに売り切れ、公演数時間前になってもインターネット上には「最終公演チケット(正規価格より高くても)絶対に買います」という書き込みが相次いだ。少なくとも数万人が鑑賞を希望していたが、そのうち「チョ・ジキル最終公演」を見たのは1211人だけだった。 ■7:15pm 「チョ・ジキル」はこの日が72回目の舞台だった。彼にとっても、6カ月以上の長期公演はデビュー以来初めてだ。出演者は午後5時前に楽屋入りし、のどのウオーミングアップや発声練習を始めた。公演15分前。チョ・スンウをはじめとする出演者やスタッフは、舞台袖で手を重ね合わせ、「ファイト!」と叫んだ。誰かが「期待以上の発展!」と声を上げると、全員が力いっぱい「自由!」とこれに応えて叫んだ。このミュージカルの挿入歌「Alive(生きている)」のワンフレーズだ。 同じ時刻、客席は観客で埋め尽くされていた。激しい競争をくぐり抜け、「チョ・ジキル」の最終公演チケットを手にした勝者たちはほとんどが女性だった。別れが間近だからだろうか。観客の何人かからは、出演者よりも緊張した様子がうかがえた。 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 *朝鮮日報 2011/05/29 10:43:06 チョ・スンウが切り開くミュージカル「100億ウォン黒字時代」(下) ■7:30pm 『ジキル&ハイド』は、人間の善と悪を分離する実験を行い、神を冒涜(ぼうとく)したと批判されたジキル博士の物語だ。「チョ・ジキル」は「暗闇の中、道に迷ったあなた/夜明けは遠く/無限の夜」と歌い、物語の中へ観客を引き込んで行く。そこには、ベストコンディションでなくても観客を引き込む力がある。言葉の調子やリズム、体の動きで歌唱力という弱点をカバーした。 このミュージカルで最も有名な曲「This Is the Moment(時が来た)」が流れてくると、客席の興奮は頂点に達した。「今この瞬間、魔法のように/わたしを縛ってきた鎖を外し、投げ捨てる/今、わたしにあるのは確信だけ/あとに残るは勝利のみ…」。豊かな声量と肺活量が必要で、短いが感情を集中させなければならない曲だ。「チョ・ジキル」は自身の体に薬を注射する前に歌うこの歌で、音楽的かつ感性豊かな能力を爆発させた。そして、冷酷な殺人鬼ハイドに変身した。 第2幕でチョ・スンウがジキルとハイドの間を行き来しながら歌う歌「Confrontation(対決)」、切実な思いが込められた「The Way Back(昔々)」も喝采(かっさい)と歓声を浴びた。ジキルと三角関係になるエマとルーシーはこの日、チョ・ジョンウンとキム・ソニョンが演じた。昨年11月30日の初演時と同じだ。2人の女優もドラマチックな感情と優れた歌唱力で「チョ・ジキル」の最終公演に花を添えた。 ■10:10 pm 160分にわたる公演が終わり、カーテンコールが。スタンディング・オベーションは、アンサンブルの出演者たちが出てくる時から始まっていた。この瞬間をひたすら待っていたかのようだ。チョ・スンウはマイクを手にした。「この作品には深い思いがたくさんありますし、すべてを注ぎ込んだ様な気がします。除隊する時は体重が65キロでしたが、今は59キロです。皆さんのご声援があったので、休むことなく駆け抜けることができました。でも、あまりにも何回も見てくださったので、お金がなくなってしまったのでは? 2回だけご覧ください…」。 演劇界では、チョ・スンウのミュージカル次回作として、11月に上演される『ゾロ』を期待している。チョ・スンウは「緊張するとハチに手を次々と刺されるような感覚がします。『ジキル&ハイド』がまさにそれ。舞台メークを落とす気力もなくなりますが、次の日また、この公演ができるのは、作品が力を与えてくれるから」と言っていた。だから、気になる。チョ・スンウはこの日、楽屋でどんな気持ちでメークを落とし、「ジキル」を消し去ったのか。 ▲『ジキル&ハイド』は8月末まで、ホン・グァンホ、キム・ジュンヒョン、キム・ウヒョンのトリプルキャストでジキルを演じ、上演される。お問い合わせ電話番号:1544-1555 朴敦圭(パク・トンギュ)記者 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
by joonkoala
| 2011-05-29 17:17
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