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朝鮮日報10/15☆「韓流を長続きさせるには良質のストーリーが必要」(上) (下)




*朝鮮日報   2010/10/15 12:00:13
「韓流を長続きさせるには良質のストーリーが必要」(上)


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韓国コンテンツ振興院のストーリー創作センター運営委員を務めるユン・ソクホ監督



 「韓流ドラマが大ヒットしたのは、韓国特有の洗練された演出のおかげだ。だが、よいストーリーの力がなければ、その人気も短命に終わってしまう。『光り輝く原作』を見い出さなければ、(韓流の)真の重心は定まらない」

 「映像美の巨匠」といわれ、「元祖・韓流ドラマ演出家」でもあるユン・ソクホ監督(53)=ユンズカラー代表=は、「今の韓国ドラマは過激な演出ばかりに傾注し、密度を高めるという意識が足りない。その例として、最近では日本の漫画を原作にしたドラマが多く、人間関係がやたらに複雑なドラマや、大作ドラマばかりが放送されている」と語った。ユン監督は現在、韓国コンテンツ振興院のストーリー創作センター運営委員として活動している。昨年はストーリー公募展で審査委員を務めた。

 2000年代初めに『秋の童話』や『冬のソナタ』などの人気ドラマを手掛け、本格的な韓流ブームの扉を開いたユン監督。だが、「映画でもドラマでも、基本的にすべての大衆芸術はストーリーの芸術」とし、劇作家の役割を大きく評価した。「なぜ、政府やマスコミがストーリーを公募するのか。それだけ文化コンテンツが強いパワーを持つ時代になったということだ」。ユン監督は、「ストーリー創作センターでは、作家たちが互いの作品を批評して刺激し合い、運営委員は作家たちに、より良いコンテンツを生み出すための方向性を示している」と語る。

 ドラマの演出を手掛けて25年というユン・ソクホ監督の目から見て、韓国ドラマ特有のテンポの速い制作スタイルの中で、ストーリーの重要性はとりわけ大きい。「スター級の監督が劇作家に大まかな企画を任せることもある。しかし、登場人物のキャラクターを具体化し、せりふや場面を作るのは、結局はストーリーを作る劇作家の力。その上、ドラマは映画と異なり、台本を書き上げてから撮影に入るというわけにはいかないため、後半はストーリーが進むにつれ劇作家への依存度が過剰に高まる」

 ユン監督は、「最近、韓流ブームが下火になった」という一部の指摘について、「収益だけを目的としたドラマが増えているため」と答えた。『冬のソナタ』の大ヒットに続けとばかりに、(海外の視聴者ウケを狙って)書き下ろしたドラマが相次いで制作され、それがむしろ「韓流」の競争力を低下させているというわけだ。ユン監督は、「『冬のソナタ』までは、『どうすればもっと感動を与えられるか』という根本的な悩みしかなかった。だが今は、制作会社のコンセプトが『海外でヒットするためには誰をキャスティングすべきか』『どういう内容にしたら投資してもらえるか』などに集中している」と指摘する。




*朝鮮日報    2010/10/15 12:00:38
「韓流を長続きさせるには良質のストーリーが必要」(下)


 刺激的な設定が多く、ドロドロとした人間模様を描いたドラマについても、「通りすがりに火事やけんかを見物し、すぐに立ち去る野次馬の心理に似ているのではないか。すぐに注目を集めようと強烈さばかりを前面に押し出す作品は、絶対に長くは続かない」と指摘する。

 だが、「第2の韓流」については、かなり肯定的な答えが返ってきた。「韓国人の感性」ほどドラマチックなものはないとした上で、「韓国人は喜怒哀楽の強い民族。すぐに興奮してはすぐに悲しみ、感情の起伏が激しい。これをドラマで表現できればとてつもない力になる」と語った。

 ユン監督は、「最近『(面白い)韓流ドラマがない』という指摘が挙がっているのは、過去の素材を発掘して楽をしようという安易なやり方のせいでもある。個人的には、最近放送された『製パン王キム・タック』のように、前向きなエネルギーと創作の力を同時に見せてくれるストーリーを高く評価する」と話した。

 純粋な愛や童話のような映像美で自身のカラーを確立させたユン監督だが、「四季シリーズ」最後の作品『春のワルツ』(06年)以降、4年間は制作活動を休業している。ユン監督は、「急速に変化する視聴者のニーズをいかに盛り込むかということを、長い間悩んでいる」と話す。「愛に対する夢や、童話のようなファンタジーを捨てるつもりは全くない。その夢はずっと持ち続けるが、マンネリズムに陥ったという指摘は聞きたくないため、ずっと悩んでいる」

 最後にユン監督は、ストーリー公募展への応募を目指す人たちに対し、「偽物ではなく、本物を作れ」とアドバイスした。「自分が最も共感する部分を書かなければ、いい作品は作れない」という。「誰かのまねではなく、自分が直接経験し、共感したことをしっかりとらえて書くべき。華麗なスキルやテクニックは後でいくらでも磨くことができる。自分が好きなストーリーを、まるで自分の話であるかのように作り上げる力を発揮すれば、きっと認められるはずだ」

パク・セミ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
by joonkoala | 2010-10-16 06:54 | 韓国ドラマ
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